水の記憶事件（ジャック・ベンベニスト博士）

ジャック・ベンベニスト
パリ大学医学部主席卒業。同大にて教鞭をとる。
その後、病院勤務などを経て、研究者となる。
癌、アレルギーと炎症における免疫システムなどを研究。
1972年、PAF(血小板活性化因子)を発見し、科学誌『ネイチャー』に論文を発表(1974年)。
1985年、国立科学研究センターから、癌の研究に対して銀賞が与えられる。
1998年、RAH(ロイヤル・アカデミー・オブ・ホメオパシー)主催で、初の日本での講演を行う。
2004年、パリにて死去(69歳)。
生涯で二度、ノーベル賞候補にノミネートされている。

『真実の告白　水の記憶事件』ジャック・ベンベニスト著（ホメオパシー出版）

ジャック・ベンベニストは、フランスの生物学者であり、ホメオパシーの科学的根拠として「水の記憶」という概念を提唱しました。彼の研究は、1988年に発表された論文によって広く知られるようになりました。この論文では、非常に希薄な溶液が水分子の構造を記憶し、その効果が持続する可能性があると主張しました。

ベンベニストの実験は、特定の抗体が水に溶けた状態で希釈され、その後、元の溶液と同じ生物学的効果を示すことを示そうとするものでした。彼は、希薄化された溶液が生物学的活性を持つことを示すために、マウスの白血球を用いた実験を行いました。この実験では、抗体が水に記憶されているとされる効果が観察されたと報告されています。

しかし、この研究は科学界から大きな批判を受けました。特に、彼の研究は「ネイチャー」誌に掲載された後も、多くの懐疑的な反応を引き起こしました。

ベンベニストはその後も研究を続け、「転写実験」と呼ばれる新たなアプローチを開発しました。この実験では、水に物質の電磁波情報を転写することで、その物質の効果を再現することが試みられました。これにより、水が物質と直接接触しなくても、その情報を記憶し影響を与える可能性が示唆されています。